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インタビュー

日本のロック・シーンの明日を切り拓く志高き若者たち、〈Kings〉っていったいナニ軍団?

 the telephonesにTHE BRIXTON ACADEMY、QUATTRO、PILLS EMPIRE、そしてTHE BAWDIES――日本のロック・シーンを牽引する新世代であり、同世代でもある彼らが結成した〈Kings〉という集団をご存じだろうか? これまでに2度のライヴ・イヴェントを通じて徐々にその活動があきらかとなってきたのだが、改めて発起人であるthe telephonesの石毛輝に〈Kings〉結成のいきさつを訊いた。

 「QUATTROの岳ちゃん(岩本岳士)と仲良くなった頃、よく2人で〈どうせ俺らががんばっても、(日本のシーンは)何も変わらねえよな~〉とか、ウダウダ文句ばっかり言ってたんですよ(笑)。でもその頃から嬉しいことにthe telephonesが注目されはじめたんです。で、これはもしかしたら希望が持てるかもしれないと。ただ、僕らが単独で乗り込んで行ってもシーンは変わらないかもしれないし、それじゃあ何も意味がないと思って。だったら塊で乗り込んで行こうと。そこで岳ちゃんとお互いが好きな同世代のバンドを集めようという話になって、彼はTHE BAWDIESを誘い、僕はTHE BRIXTON ACADEMYとPILLS EMPIREを誘ったんですね。さらに〈こういうカルチャーにはDJが必要不可欠だ〉という話になり、共通の知り合いだったDJチームのFREE THROWにも参加してもらって、〈Kings〉結成となったんです。僕たちの世代はHi-STANDARDがメロコアをメインストリームにまで押し上げて、〈AIR JAM〉を主催していろいろな音楽性を持ったバンドを引き上げたという成功例を見てきている。あのイヴェントの楽しかった思い出と、その結果洋楽にのめり込んだ経験を持っているわけじゃないですか。だからあの方法論に倣って、いまの新しい世代のリスナーたちといっちょやってみようじゃないかと。その結果、たくさんの人がライヴハウスやクラブに足を運ぶようになって、音楽をもっと楽しめるようなシーンになればいいなあって」。

 アーティスト主導で巻き起こす、音楽シーンの革命。果たして彼らは、日本のユース・カルチャーの歴史にその名を刻む〈AIR JAM〉級のムーヴメントを起こせるのだろうか? その動向は彼らがやらかすであろう何かに、みずからが参加することで確かめてほしい。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年07月08日 18:00

ソース: 『bounce』 311号(2009/6/25)

文/冨田 明宏