インタビュー

王子はライヴもヤバイのよ!

 2007年の〈フジロック〉や単独公演を目の当たりにした人には説明するまでもないですが、ミーカ王子のライヴ・パフォーマンスは本当に凄いんです。〈これぞエンターテイナー!〉と言ったところ。で、その魅力やこだわりを大爆発させているのが、昨年のパリ公演を収めたDVD「Live Park Des Princes Paris」です。王子とオペラ・デザイナーが演出したというこの日のステージには、ピザ型のバルーンや美女たちのカンカン・ダンス、アニマル鼓笛隊、少年宇宙飛行士のタップ、ドラゴンの行進……と、サーカスさながらの楽しい仕掛けが盛りだくさん。もっとも、それらすべてが彼の音世界を引き立てるための添え物にすぎず、スラッとした身体でめいっぱい飛び跳ね、歌う姿に何より心を奪われてしまうのです。いやマジで、楽しくって嬉しくってしょうがないといった表情が可愛いの何の! “Grace Kelly”“Lollipop”などのヒット曲やデペッシュ・モードのカヴァーといった強力ボムを適所に放り込みながら、観衆を魅了していくステージ運びにも唸らされること必至。軽快なピアノとハイトーン・ヴォイスを軸とした音のハッピー・シャワーは、疲れ気味のアナタの心を必ずや癒してくれるでしょう。あ~、早くまた生でアレを浴びたいわ!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年09月16日 18:00

ソース: 『bounce』 314号(2009/9/25)

文/柴田 かずえ