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インタビュー

もしも〜し、ドラムスを発掘したモシ・モシについて教えてくださ〜い!

 

先頃リリースされたコンピ『Moshi Moshi Singles Club Vol.2』を聴いて、改めてモシ・モシというレーベルの素晴らしさに気付いてしまいました。で、シリーズ第1弾となる2008年の〈Vol.1〉を引っ張り出してみたところ、後に大ブレイクしたフレンドリー・ファイアーズやレイト・オブ・ザ・ピアーがいち早く紹介されているじゃないですか。ということで、ドラムスのアルバム発表を記念して、この新人発掘能力の才に長けたUK随一の青田買いレーベルについて少し掘り下げてみましょうか。

時は98年、〈商業ベースを度外視した、自分たちが信じる音楽を扱うこと〉を旗印に、メジャー・レーベルに勤務していた3人の仲間たちによってロンドンで設立されました。レーベル名は私たちが日常的に使っているあの〈もしもし〉。〈Hello〉に近い雰囲気で親近感が湧くよね〜ということから、この名前に決まったそうです。当初は7インチ・シングルのみをリリースしていましたが、ニューウェイヴ・リヴァイヴァル・ブームが起こった2000年代初頭から事業を拡大し、2003年に投下したブロック・パーティーの初シングル“Banquet”とホット・チップ『Coming On Strong』をきっかけに世界中から注目を集めるようになったのです。さらに、そうした追い風に乗るように、レイクスやイエティ(リヴァティーンズのベーシストによるバンド)などツワモノとも次々に契約。一方で、初心を忘れちゃいかん!ということでしょうか、限定7インチのみを扱うサブ・レーベル──先のコンピの名前にもなった──モシモシ・シングルス・クラブを立ち上げ、ド新人をフックアップ。ケイト・ナッシュやフローレンス・アンド・ザ・マシーンももともとはここの卒業生ですし、ヴェリー・ベストやジェイムズ・ユーイルもシングルのヒットを受けてアルバム契約に漕ぎ着けたんですよ。そして、このモシ・モシが自信を持って送り出す次なる刺客こそ、他でもないドラムスなわけ。つまり、彼らのブレイクは約束されたも同然なのです。

 

▼関連盤を紹介。

左から、2010年のコンピ『Moshi Moshi Singles Club Vol.2』(Moshi Moshi/Co-op)、レイト・オブ・ザ・ピアーの2008年作『Fantasy Black Channel』(Zarcop/Parlophone)、ホット・チップの2003年作『Coming On Strong』(Moshi Moshi)、イエティの2007年作『Yume』(Cargo/Moshi Moshi/Co-op)、ケイト・ナッシュの2007年作『Made Of Bricks』(Fiction/Polydor)、フローレンス・アンド・ザ・マシーンの2009年作『Lungs』(Island)、ヴェリー・ベストの2009年作『Warm Heart Of Africa』(Moshi Moshi/Co-op)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年07月08日 19:08

更新: 2010年07月08日 19:12

ソース: bounce 322号 (2010年6月25日発行)

文/白神篤史