XXを輩出したヤング・タークスってどんなレーベル!?
XXといち早く契約を結んだヤング・タークス。2006年、XL傘下に設立された同レーベルに先見の明があることは、この事実だけでも十分だろうが、ここで簡単にその動きをおさらいしておきたい。ジェイムズ・ブレイクのデビュー以降、音楽メディアでしきりに取り上げられたポスト・ダブステップの代表作となるSBTRKTとブリオンのエポックメイキングなアルバムを昨年リリースしたことや、ジェイミー・スミスの課外活動もあり、ビート/ベース音楽への貢献度が高い集団という認識も最近でこそ定着してきた。しかし少し遡って2010年前後に目を向けてみると、ヴァンパイア・ウィークエンドと双璧をなすトロピカル・サウンドの使い手であるエル・グィンチョ、トレヴァー・ホーンのサポートを受けるシンガー・ソングライターのキッド・ハープーン、エクスペリメンタルかつダイナミックなポスト・ロックを聴かせるホーリー・ファックなど、音楽性はバラバラ。もっとも、所属アーティストはその筋のリスナーから一目置かれている面々ばかりだが(ここが重要!)。
ちなみに、レーベルの審美眼はライセンス作品にも発揮され、サウス・セントラルやギャング・ギャング・ダンス、グラッサーほか、実にオイシイところをチョイス(しかも、すべて無名だった頃に!)。リリースの枚数自体は少ないながら、それも内容を吟味して絞っているからこそ。そんなわけで、ヤング・タークスはいまもっとも信頼できるインディー・レーベルのひとつなのである。
▼関連盤を紹介。
左から、SBTRKTの2011年作『SBTRKT』、ブリオンの2011年作『You Drive Me To Plastic』、エル・グィンチョの2010年作『Pop Negro』(すべてYoung Turks)、キッド・ハープーンの2009年作『Once』(Young Turks)、サウス・セントラルの2010年作『Society Of The Spectacle』(Egregore)、ギャング・ギャング・ダンスの2008年作『Saint Dymphna』(The Social Registry)