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インタビュー

英国新波憂鬱男声あれこれ

 

COLDPLAY 『Mylo Xyloto』 Parlophone(2011)

いくらセレブ化しようと英国マナーのムワ〜ッとした歌い口はどうやっても拭われない。ヒプノティックな目映さに包まれた“Every Teardrop Is A Waterfall”なんて近年のアンダーワールドに近いものがあるし、逆にカールのソロ作はこうしたバンドにも似た音世界を描き出しているような……。*轟

 

NEW ORDER 『Lost Sirens』 Rhino/ワーナー(2013)

紆余曲折を経つつカールと同時代を生きてきたニュー・オーダーも、期せずして〈新作〉を発表したばかり。2005年作『Waiting For The Sirens' Call』のアウトテイク集で、本編に未参加だったトーレ・ヨハンソン製の“Sugarcane”なんて興味深い曲もあるものの、金太郎飴を貫くNO節の勝ち! *轟

 

PET SHOP BOYS 『Elysium』 Parlophone(2012)

レーベル移籍と6月の新作リリースを先頃発表したばかりの彼ら。というわけで、本作は約28年も在籍したパーロフォンへの置き土産となります。中身は“We Are The Champions”っぽい大曲“Winner”など平常運転ながら、ジャケで昨今のインディー・シンセ風情を装ったニクい感じもPSBそのもの! *出嶌

 

MOBY 『Hotel』 Mute(2005)

米国人ですが……英国で絶大な支持を得た作風の内側を流れる血はカール・ハイドのそれと近い。本作ではほぼ全曲でみずからヴォーカルを担当し、デヴィッド・ボウイへの憧憬を隠すことなくフル開陳。エレガントなエレクトロニクスに乗せて、ニュー・オーダーのカヴァーなんかも披露してくれる。*出嶌

 

FRANKMUSIK 『Do It In The AM』 Island(2011)

自身の歌唱とダイナミックなエレポップを組み合わせたスタイルは、登場が少し遅かったのか早かったのか……。この2作目で米国進出に失敗してからは改名したり元に戻したり迷走している様子だが、ハーツとゼッドの間を射抜くような青い歌と白いグルーヴはいまこそ評価されてほしいかも。*出嶌

 

ULTRAVOX 『Brilliant』 Chrysalis(2012)

長いキャリアを経てポスト・パンク期に台頭、2008年に黄金期の顔ぶれで再始動した彼らの18年ぶりのオリジナル作。チャートに復権したのも凄いけど、枯れを青さに転化したエレポップ世界の美しさはまさに泣き踊り必至。ほぼ全員が60の峠を越えても不変の哀愁ロマンティックぶりに還暦どころか感激! *轟

 

DELPHIC 『Collections』 Chimeric(2013)

スマッシュ・ヒットとなったベルリン録音の初作『Acolyte』から遅れに遅れての2作目。ウォッシュト・アウトらを手掛けるベン・アレンに大半を委ねようと、先行カットの“Baiya”に顕著なマンチェのカラーはくっきりと浮かぶ。商業的にはジンクスに引っ掛かってしまった格好ながら内容はバッチリ! *轟

 

ERASURE 『Tomorrow's World』 Mute(2011)

ヴィンス・クラークがデペッシュ・モード〜ヤズーなどを経て結成したシンセ・ポップ・デュオの、現時点での最新作。アンディ・ベルの青春ヴォイスもいよいよ若々しく響き、プロデュースがフランクミュージック、ミックスがロブ・オートンという布陣もモダンな聴き心地に一役買っていますね。*轟

 

MOTOR 『Man Made Machine』 CLR X(2012)

アメリカン&フレンチのコンビではあるけど、独自のEBM様式美を支えるのは往年の英国エレポップ・マインドなのDEATH……ってことで、マーティン・ゴアの歌うダークな表題曲がヒットしたこの最新作は、ゲイリー・ニューマンやニッツァー・エブのダグラスも迎えた趣味丸出しの一枚に! *出嶌

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年04月03日 17:58

更新: 2013年04月03日 17:58

ソース: bounce 353号(2013年3月25日発行)

ディスクガイド/轟ひろみ、出嶌孝次