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レミ・バロー/ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 (1888年 第3稿/コーストヴェット校訂版)


4. Bruckner Altomonte Orchester & Rémy Ballot
St. Florianer Brucknertage公式YouTubeページより

異色の解釈で知られるレミ・バローのブルックナー録音、今作は第4番のコーストヴェット校訂版の登場!

さまざまな稿(バージョン)が存在するブルックナーの交響曲。なかでも第4番はその微妙な違いのため、稿の選択がかなり困難になります。第3稿については長い間、弟子のレーヴェが勝手に手を入れたという見方をされてきましたが、今回用いられているコーストヴェット校訂版が2004年に国際ブルックナー協会から出版された頃から再評価され、ブルックナー自身が認めた版であるという説が高まっています。バローは約20年間、第2稿(1878/80)を用いて演奏してきたため、2011年に初めて第3稿で演奏したときには、まるで「慣れ親しんだ風景が草木に覆われて、どことなく異質なもの」に感じられたそうです。しかしこの第3稿こそブルックナーの成熟の証しであり、修正点はすべて工夫が凝らされており、磨きのかかった作品はよりニュアンスに富み、さらに聴きやすくなっているとバローは解説で語っています。とりわけスケルツォの終結部や、終楽章のコーダ、クライマックス直前で用いられる弱奏シンバルの効果は絶大。バローの泰然自若たる演奏はブルックナーの思いを真摯に伝え、聴衆の温かい拍手がこれに応えています。
今作もバロー自身が音源監修に携わり、エンジニア陣がこだわりぬいた高音質録音により豊かな残響が余すことなく再現されています。
*国内仕様盤には国際ブルックナー協会会員、石原勇太郎氏の解説が付属します。

聖フローリアンにいること、その偉大なバジリカの素晴らしき空間でブルックナーの音楽を聴くことはどんな時もとても喜ばしいことですが、2021年のBrucknertageは私にとって特に意義深く、実りある体験になりました。未だ収まらないコロナ禍のために、1年半ぶりとなってしまったヨーロッパへの旅行であったというだけでなく、久しぶりに大規模なコンサートを楽しむことができたのです。しかし、それ以上に重要だったのは、第4交響曲の数日にわたる3回の公演と、そのための一連のリハーサルに立ち会うという貴重な機会を得たことです。私は第4番の3つの稿、そのどれもが好きなのですが、1888年の最終稿である第3稿には特別な愛着があります。なぜなら、数十年もの間無視されてきた第3稿は、私の調査・研究と校訂によって再び日の目を見た稿だからです。[Brucknertageのイベントの一つとして開催される]シンポジウムで、第3稿の成り立ちや私の考えを聴衆のみなさんにお話しする機会をいただけたこと、心から感謝しています。1888年稿は観念的な「原典」や学術的な構想のようなものではなく、生きた演奏実践的な作品(テクスト)として意図されているのですから、イベントに集まった音楽ファンの前で演奏された時、ようやくその独特の美しさと、作品自体が持つ表現力が明らかになるのです。
今年のBrucknertageでは、まさにそれが実現したのです!
ベンジャミン・マルクス・コーストヴェット(訳:石原 勇太郎)日本語解説より
(ナクソス・ジャパン)

ブルックナー: 交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」 WAB 104
(1888年 第3稿 /2004年コーストヴェット校訂版)
1. I. Ruhig bewegt 22’24”
2. II. Andante 18’43”
3. III. Bewegt 10’53”
4. IV. Mäßig bewegt 27’23”(拍手入り)

聖フローリアン・アルトモンテ管弦楽団
レミ・バロー(指揮)

録音 2021年8月21日(Brucknertageにおけるライヴ収録)
聖フローリアン修道院教会、ザンクトフローリアン
(オーストリア北部オーバーエスターライヒ地方)
CD/SACD STEREO、SACD 5ch