Shaggy
超ビッグ・セールスを記録した前作『Hot Shot』のインパクトを遙かに超えるモンスター級のニュー・アルバム『Lucky Day』を携えてシャギーが帰ってきた!! これがまた、タフでセクシーでストロングな傑作だ!!
プレッシャーはまったくなかった
「失敗しようと思ってアルバムを作る人間なんていないけど、まさか1,000万枚も売れるとは思ってなかったよ。だから嬉しい驚きだね。今でも素晴らしいアルバムだと自分で思ってるし、ホントに大満足。おかげで財布も重くなったし、女性もたくさん集まるようになったしな」。
シングル・カットされた“It Wasn't Me”“Angel”が相次いでビルボードのポップ・シングル・チャートにおいて第1位を獲得したことに加え、これら2曲を含む彼にとっての4作目『Hot Shot』が同アルバム・チャートでも4週連続1位を記録し、全世界の売り上げが1,000万枚を突破。全米レコード協会からはこのアルバムが〈2001年度で最も売れたアルバム〉として認定されたほか、アメリカはもちろん、カナダやイギリスなど各国のミュージック・アウォードでも数々の賞を受賞するという栄光も手にし、あれよあれよという間にトップ・アーティストへと昇り詰めた感のあるシャギー。前作の成功を素直に語る彼の口が軽やかなのも――それがまた、ちっとも嫌味に聞こえないのも――大きな結果を得た自信のなせる業だろう。「レゲエという音楽にとっても大きな一歩、きっかけになったと思う」という『Hot Shot』の成功の理由を語る彼の言葉もまた滑らか。
「やっぱりいろんなシチュエーションで聴けるし、すべての曲が良くて、曲を飛ばすことなくじっくり聴いてもらえるアルバムになったのが良かったんだろうね。アルバムとしてのパワーがそうさせたんだよ」。
そんな前作の大きな成功の後を受けた新たな一歩は、アーティストにとっては得てして踏み出しにくい一歩にもなりうるはず。しかし、自信に満ちた男にその種の躊躇はまったくない。大ヒット後のブランクとしては決して長いとは思えない1年半あまりを経て、自身5枚目となるニュー・アルバム『Lucky Day』をリリースしたフットワークの軽さは、シャギーの気持ちの軽さを表わしている。
「プレッシャーはまったくなかった。プレッシャーということでいうなら『Hot Shot』を作ったときのほうが大きかったな。友人を数人自分の家のスタジオに呼んで、楽しんで作ったよ」。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2002年11月07日 16:00
更新: 2003年02月13日 12:09
ソース: 『bounce』 237号(2002/10/25)
文/一ノ木裕之