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インタビュー

で、ホントのところ、アメリカではシャギーってどう受けとめられてるの!?


 9月8日。新作『Lucky Day』を仕上げたばかりのシャギーは、マンハッタンのハマースティン・ボウルルームのステージに立っていた。T.O.K.、ショーン・ポール、エレファント・マン、バウンティ・キラー、ビーニ・マンらジャマイカ直送ダンスホールの第一線級DJといっしょに、人気ラジオ局〈Hot97〉が主催したコンサートに出演したのだ。早々とソールドアウトしたこのコンサートの客席を埋めるのは、ジャマイカ系もしくは西インド諸島出身の人々だ。前作『Hot Shot』が全世界で1,000万枚以上を売り上げたシャギーは、ギョーカイ標準に言うと〈別格〉。それが逆に作用してNYのレゲエ・ファンに冷たくされちゃうかも……との心配は杞憂だった。先発したレイヴォンに加わる形で登場したシャギーにひと際大きな声援が飛んだのは“It Wasn't Me”ではなく、なんと“Big Up”。シャギーがメジャー契約のなかった80年代後半にレイヴォンと吹き込んだローカル・ヒットだ。NYのヤーディーたちが、このビッグスターを昔馴染みだと思っているのがよくわかる瞬間だった。

 この〈昔馴染み〉サークルの外、全アメリカ的にはシャギーはまずヒット曲ありき、のアーティストである。昨今の復活劇の引き金は“It Wasn't Me”がラジオでじわじわと人気を集めたこと。結果はやたら大きいが、経緯は地道。覚えやすいフックとパトワを抑えたリリックでレゲエを伝導してきたアーティストなのだ。昨今、ビーニ・マンやショーン・ポールの曲がアメリカ市場でウケている影に、90年代初頭からコンスタントにヒップホップ/R&B市場でヒットを放ってきたシャギーの功績がある。Big Up。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年11月07日 16:00

更新: 2003年02月13日 12:09

ソース: 『bounce』 237号(2002/10/25)

文/池城美菜子

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