インタビュー

TOKONA-X vs Equal

日本を代表する最強チーム=M.O.S.A.D.から、恐るべき2連発!! 好対照なスタンスで新作を完成させたTOKONA-XとEQUALに、お互いのソロ活動からグループの今後までバッチリ話を訊いてきたぜ!!


 名古屋ヒップホップ・シーンの顔役ともいえる強力アクト=M.O.S.A.D.からメンバーの2人が立て続けにソロ・アルバムをリリース。TOKONA-Xの『トウカイXテイオー』とEQUALの『Get Big“The Ballers”』、同じグループに所属しながらも、その内容はかなり異なる。2人に話を訊いてみた。

やりたいようにできた

――お互いのアルバムを聴いてみて、M.O.S.A.D.の時と違った印象はあった?

EQUAL(以下E)「ちょっと新しいことやってるな~とか、そういう面は見えたりします」

TOKONA-X(以下T)「そういうのがM.O.S.A.D.の2枚目とかになっていく話で」

E「M.O.S.A.D.の時はスタジオを転々と回って作ることが多くて、それは今回避けたいと思って。そのへんは前より段取り良くできた」

T「やらなきゃいけない感が強かったかな(笑)。作品のクォリティーのプレッシャーより、できるかな?っていうプレッシャー(笑)」

――スケジュールの問題か(笑)。EQUALはどうだった?

E「大変でしたね。ただ、ホント自分のやりたいようにできたので、これをやりたいから、これやろうっていう展開に自分で持っていけるから、その点は早かったですね」

――トラック制作に使う機材は全部借り物らしいけど、それって不都合じゃないの?

E「それは、やりにくいっすよ(笑)。不便は不便だったんですけど、どっちかっていうと、僕に機材を貸してる人が困ってた(笑)」

T「それでDJ RYOW(ENDLESS FILE)が僕のアルバムに入れなかった(笑)」

――(笑)TOKONAはトラック制作に興味は?

T「ありますよ」

E「最近言うよね」

T「もっと機材を単純化してもらわないと。ホーンならホーンでキーにトランペットの印がついてるとか(笑)。〈10歳からのMPC〉みたいのが出たら、きっと僕にもできます。負けないです(笑)。教えてもらってできるもんなの?」

E「教えてもらってできたよ、俺は。自分のやりたいことだけ訊いて、それを教えてもらって、あとはずっといじって」

T「ふ~ん。じゃあ、できるわ」

 M.O.S.A.D.のアルバムでもトラックの大半を手掛けていたEQUALは、今回のソロ作でも全曲を手掛けている。一方のTOKONA-Xは、FORCE OF NATUREやバックワイルド、GPなど外部のトラックメイカー陣を起用している。ザラザラしたラフな質感と、磨きぬかれて洗練された質感。同じグループであっても個々の違った側面をそれぞれ楽しめるアルバムになった。ただそれらは両極端なようであっても、それぞれの作品にはM.O.S.A.D.に繋がる生々しい空気感が確実に存在している。そんな事実も作品を聴けばわかるはずだ。

▼TOKONA-Xのソロ・シングルを紹介

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掲載: 2004年03月11日 13:00

更新: 2004年03月16日 19:39

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

文/高橋 荒太郎