インタビュー

Black Eyed Peas(3)

遊び心に溢れた傑作!!

 うわ、スペースが足りんよ。ページ内でこまごま紹介しているメンツ以外にも、新作にはタリブ・クウェリやシー・ローといった精鋭どもが登場してくる。ただ、念のために書いておくと、この『Monkey Business』は決してキャスティングの妙だけで構成されたようなオムニバス映画じゃない。主役の4人の縦横無尽な活躍ぶりは前作以上だし、レゲエ的な〈間〉や異国情緒をふんだんにまぶしたウィルのトラックメイキングも遊び心に溢れている。そういうベースがあったうえで、“Where Is The Love”同様のスピリットから生まれた真摯なメッセージ・ソングも、アッパーなパーティー曲も、メロウなレイドバック・チューンもすべて同列で聴かせるのがこのアルバムの、そしてBEPの素晴らしい点だと思うんだけど、どうだろう。とか言ってる間に、早くもファーギーはウィルと共にソロ作に取りかかっているそうで、いずれにせよ、しばらくはこのモンスターどもにあれこれ引っ掻き回されそうですな。

STING 『Nothing Like The Sun』 A&M(1988) 新作中もっとも真摯なメッセージを備えた“Union”は、スティングの代表曲“Englishman In New York”の彼本人を招いたリメイク。BEPは以前も“Magic”にポリスの〈マジック〉を引用していた。

Q-TIP 『Amplified』 Arista(2000) 超待望のニュー・アルバムも間近らしいQ・ティップが“Like That”に客演。初期BEP3人のラップはモロにATCQ直系で、“Joints & Jam”では彼らの“One Two Shit”をサンプルしてたりもしましたな。


WILD ORCHID 『Wild Orchid』 RCA(1997) アルバム2枚を残して消えたガール・グループ、ワイルド・オーキッドは別掲枠で触れたフル・フォースと絡んだこともある……ん? ジャケの右端にいるのはファーギーさん!? 人に歴史アリ、ですね。

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掲載: 2005年06月02日 13:00

更新: 2005年06月09日 17:18

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/出嶌 孝次