インタビュー

シーンを彩る最新日本製クロスオーヴァー作品たち

 隆盛を迎えている日本のクロスオーヴァー・シーン。クラブ・ミュージックとポップスを融合させた独創的なそれらのサウンドは、海外のDJからの評価も高い。その代表格であるJazztronikと共に活躍する新世代アーティストをここに紹介! まず、〈王道クロスオーヴァー〉の中心的存在として挙げられるのが、森田昌典と阿部登のユニット=STUDIO APARTMENT。ハウスを主体としたパーカッシヴなサウンドはフロアと直結したグルーヴ感に溢れている。また、天性のメロディーセンスでブラジリアン・ジャズやポップスの要素を合わせて昇華させた、半沢武志によるFreeTEMPO。打ち込みと日本人独特の感性による郷愁を誘うメロディーが溶け合った彼の音世界は、飽和しつつあるシーンへの新たなる起爆剤となるはずだ。

 さらに、メロディアスでファニーなトラックが印象的なクラブ・ジャズ・バンドのi-dep。bayaka主宰のレーベル=Ode発、オシャレさとゴージャスさに富んだJAZZIDA GRANDE。そして、ジャズをルーツとした吉澤はじめ、アーバンな雰囲気に満ちたCargo、圧倒的な演奏力を誇る生バンドのA Hundred Birdsや、数々のリミックス・ワークが話題となったSOUL SOURCE PRODUCTIONなども、ジャンルの壁を壊し、あらゆるシーンとの掛け橋となるであろう貴重な存在だ。

 一方、ブレイクビーツを軸として、さまざまなスタイルの音楽との異種格闘技戦を繰り広げるSINDBADや、ハッピーなカットアップ・ミュージックでジャンルを横断するはせはじむなど、フロアから人気が沸騰し、現場で培ったセンスでリスナーを魅了するアーティストたちの存在もシーンを刺激し、世界へと導く要因となるだろう。
▼ジャケは登場順に

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年10月13日 16:00

更新: 2005年10月27日 18:11

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/郡司 和歌