喧騒はまだまだ続く!? 2006年のUKロック事情をチェック!!
2005年の新人バンド・ラッシュもまずは一段落したUKロック界。ここでは2006年の状況を探ってみよう。今年のシーンでまず注目すべきは、〈フランツ・フェルディナンド以降〉のバンドたちによる〈次なる一手〉だろう。本国イギリスで特に注目されているのは、いまやその名を知らぬ者は非国民と言えるほど(?)有名バンドとなったキーンと、〈Live 8〉を機に評価/人気共に抜きん出た感のあるレイザーライトがそれぞれ6、7月にセカンド・アルバムをリリースする予定。ほかにも、ディレイズやズートンズ、フューチャーヘッズに続いて、カサビアン、ルースター、リトル・バーリー、マジック・ナンバーズなどが今年中にアルバムのリリースを控えており、リスナーの熱い視線が注がれている。
チャートを見てみると、今年前半の話題のひとつはハード・ファイの『Stars Of CCTV』が1月下旬にリリースから7か月目にして1位を獲得したこと。また、オーディナリー・ボーイズは、今年初めにフロントマンのプレストンが有名人の共同生活を中継する(下世話な)TV番組「Celebrity Big Brother」に出演したことで全国区の知名度を獲得し、昨年6月に発表されたシングル“Boys Will Be Boys”が突如TOP3入りするという予想外の展開を見せた。
さらに、ヴェテラン勢による活躍にも見逃せないところで、『Ringleader Of The Tormentors』がチャート1位に輝いたモリッシーをはじめ、すでにリチャード・アシュクロフト、グレアム・コクソン、シャーラタンズらが力作を発表。また間もなくプライマル・スクリームが久々のアルバム『Riot City Blues』をリリースする。
しかし、2006年のUKロック界においてやはり外せないのがアークティック・モンキーズ。アルバム『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』に対して、国の医療機関の医師が〈煙草を吸う男性の姿を写したジャケット写真は若者の喫煙を助長し、教育上よろしくない〉と発言してバンド側が反論するというニュースもあったが、これも大ヒットして露出が多くなったからこそのこと。昨年より数では劣るものの、彼らに追いつけとばかりにがんばる新人勢には、クークスやロング・ブロンズ、ミステリー・ジェッツやオートマティックなどが顔を揃えており、今年もUKロックは〈大豊作〉の年となりそうだ。
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