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インタビュー

外仕事に見るリコの幅広い交友録!

 ワレイカ・ヒルの仲間たちがリコの渡英を惜しんだセッションが、実は記録として残っている。スカ黎明期のさまざまなアーティストたちによる『Skatalites & Friends -At Randy's』収録の“Rico Farwell”がそれ。ここでは、ジャズの要素をスカの中に昇華させた創造的なリコのソロもしっかり聴ける。また、スカタライツ結成直前の仲間たちとリコによるスタジオ・ワンでのセッションを収めた『Jazz Jamaica』も、当時の様子を窺ううえで貴重な資料となる音源だ。カリプソ/ラテン/ジャズを融合させたサウンドと、ラスタファリからの影響を思わせる深い精神性の両方がしっかり味わえる。そして本文でも触れているが、渡英後の不遇時代にリコの心の支えとなったジョージー・フェイムとのライヴ・セッションの雰囲気を味わうなら、貴重なライヴ音源(スカではない)を含む64~71年期間の『On The Right Track』がオススメ。そしてもちろんスペシャルズのアルバムでもリコのプレイをたっぷりと味わえる。最後に、近年リコが在籍しているジュールズ・ホランドのTV番組におけるハウス・バンドについて。著名アーティストとのライヴ・セッションで構成されたその番組はそのままCDとしてリリースされているので、そちらもチェックのほどよろしく。


ジャズ・ジャマイカの編集盤『Jazz Jamaica』(Studio One)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年06月29日 23:00

更新: 2006年07月24日 22:03

ソース: 『bounce』 277号(2006/6/25)

文/鈴木 智彦