インタビュー

そもそもCKBのルーツってなに?――を本人が解説!

  初めて人前でお金をもらって歌うきっかけとなったのが、小5の頃にやった実演販売の中古レコード屋。給料は安かったけど、ご褒美にとレコードの不良品をダンボールいっぱいにくれて、その中から掘ったのが前田憲男とプレイボーイズ『円楽のプレイボーイ講座12章』(Solid)。三遊亭円楽が12章までプレイボーイの生き方を語るんですが、そのプレイボーイ感みたいなのがそのまま刷り込まれちゃった。サウンドは前田憲男、澤田駿吾、日野元彦っていう屈指のジャズ・プレイヤーが演っていて、これで初めて〈グルーヴ〉っていう概念が身体に沁み込んだ。ジャジーなドラムがカッコイイって思ったのはこれが最初。

  それから中2の時に父親と再婚した女性がめちゃめちゃイイ女で、音楽をやってる~なんて話をしていたら、これを聴きなさいとジェイムズ・ブラウン『Sex Machine』(King)をくれたんです。ドラムのスネアの音がとにかくすごくて、この軽い感じが自分の求めていたものだ!と。余計なオカズなしで機械みたいに叩く、みたいな。それにブーツィー・コリンズのベースとかキレのあるホーンもカッコイイですね。JBよりもJB'sで、JBにはまだあまり興味がなかった(笑)。

  次は、常に時代の先端を行きすぎている近田春夫&ハルヲフォン『ハルヲフォン・レコード』(キング)。メロディーのクォリティーからコード感からすべてが素晴らしいのに、やらなきゃいいような歌謡曲のメドレーが入ってたり(笑)。そんなあり得ない感じがいい。歌謡曲を逆説的に聴く近田さんのセンスが人と全然違うところが出てますよね。スピリットがパンク。

  最後は、楽曲からというよりもグループのあり方に影響されたルーツの『Illadelph Halflife』(Geffen)。彼らのように生音でトラックを作るという発想はかつてのバンドでやってましたが、当時はなかなか受け入れられなくて。でも彼らの〈カッコイイ音楽を作るためなら何でもあり〉っていう、既成概念をブッ潰す感じがスカッとしたし、嬉しかった。方法論という意味で励みになりましたね。(談)

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掲載: 2008年08月28日 20:00

ソース: 『bounce』 302号(2008/8/25)

文/bounce編集部