さあ、みんなで鍵を開けてみよう! 彼らのフェイヴァリット・アルバムから新作の秘密を探る〈4つの扉〉(その3)
*アトモスフェリックな歌声*
今回、ヴォーカルに関してはさまざまなアレンジを試みたというグザヴィエ。「前作より音域が拡がっていると思うよ。歌にバラエティーを持たせたかったんだ。ビートルズには3人のシンガーがいたけど、うちのバンドは僕ひとりだろ。だから僕のできる範囲でリスナーもバンドも退屈しないようにいろんなことをやってみた」と語る彼、そのなんと健気なこと。ちなみに彼が参考にしているヴォーカリストは、ダスティ・スプリングフィールドや、デヴィッド・クロスビー(バーズ)らしい(かつてバーズ“So You Want To Be A Rock'n Roll Star”をカヴァー)。滑らかで、ちょっとハスキーなその感触。聴くほどにクセになります。
ダスティ・スプリングフィールド『Where Am I Going』(Philips)