インタビュー

The White Stripes

世界のロックンロールは彼らのもの! ブルースへの純情と破壊的な野生を詰め込んだニュー・アルバムが完成した。もはや『Elephant』の勢いは止められない!!


 かつて〈ハイカラ〉をもじって野蛮で手荒い連中のことを〈蛮カラ〉なんて言った時代があったが、ホワイト・ストライプスはいまいちばん蛮カラなロックンローラーだ。蛮カラなロックンロール、それはきっと汗臭く、涙もろくて、ケンカっぱやく、何よりそこにはベタなほど純情な音が鳴り響いている。思えば弟ジャック・ホワイト(ギター/ヴォーカル)と姉メグ・ホワイト(ドラム/コーラス)がホワイト・ストライプスを結成したのはデトロイトでのこと。デトロイトといえば、古くはMC5やストゥージズ、最近ではエミネムをも生んだ工業都市だが、あの街には熱いヤンキー魂がある。それは、典型的なアメリカ人という意味のヤンキーと同時に、日本で言うところの地方の不良=ヤンキー。ホワイト・ストライプスも、そんなヤンキー列伝に加わるべきアクを持ったバンドなのだ。しかし、前作『White Blood Cell』がイギリスでリリースされるや瞬く間にブレイク。彼らはストロークスやハイヴスなどとともに〈ロックンロール・リヴァイヴァル・シーン〉の旗手として祭り上げられてしまう。いきなり世界を背負わされた2人。しかし彼らは悠々と新しい挨拶を送ってきた。溢れんばかりのヤンキー魂が炸裂する新作、その名は『Elephant』。

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掲載: 2003年03月27日 17:00

更新: 2003年04月17日 17:01

ソース: 『bounce』 241号(2003/3/25)

文/村尾 泰郎