インタビュー

WHITE TRASH SOUL Discographic アメリカ(ルーツ編)

 コンピ・シリーズ〈Nuggets〉や〈Pebbles〉、クリプトの『Back From The Grave』が蒔いたカルトな種が実を結んで、ホワイト・ストライプスを輩出したシンパシー・フォー・ザ・レコード・インダストリー、次なるブレイクが期待されるヴォン・ボンディーズやムーニー・スズキを擁したエストラスをはじめとするガレージ系レーベルが全米各地に誕生。アナログ中心のアンダーグラウンドな動きではあったものの、同時期に起こったロックの復権=グランジとも共振し、じわじわと浸透していった。サウンド面では、マイティー・シーザーズ~ヘッドコーツの影響のもと、音の汚さを強調した(オルタナ系のソレとは別の)ローファイ~トラッシュ・サウンドが定着、その後の主流となっていった。(山田)

DEVIL DOGS
『Saturday Night Fever』 Sympathy For The Record Industry(1993)
キャッチ-でエッジ-で踊れて最高にパンク! 理屈もへったくれも遥か彼方へブッ飛ばす、〈これぞNY!〉な痛快ジェット・ロックンロール。ガレージ・シーンでは珍しいほどのテクニックと才能。ちなみにティーン・ジェネレイトの代表曲“My GTO”は彼らが提供したものです。(山田)

THE GORIES
『I Know You Fine, But How You Doin'』 Crypt(1995)
ギター×2 & 女性ドラマー、ベースレスの変則3ピースによる超プリミティヴなガレージR&B。黒人音楽を吸収した60年代ビート・バンドの現代版という側面もある。昨今のガレージ・パンク・リヴァイヴァルをキッカケに、ミック・コリンズの歪んだギターがふたたび聖地デトロイトに鳴り響く。(山田)

SUPERCHARGER
『Supercharger』 Estrus(1997)
三十路前後の楽器素人による、あまりにもピュアでイノセントなロックンロール。盟友マミーズと共に、ローファイ~トラッシュ・ガレージ・ブームを巻き起こした。眩しすぎるメロディーも最高なデビュー作。解散後もメンバーのグレッグ・ロウェリーは、バンドを組んでは解散を繰り返し中。(山田)


THE MUMMIES
『Never Been Caught』 Telstar
FU○K CD's! すべてのリリースがアナログのみ。全員ミイラ(マミ-)の格好だからマミーズ。60年代のティーン・パンク・サウンドにクレイジーなエッジを刻み込み、嵐のように去っていった90年代ガレージ・パンクの最重要バンド。10年越しのCD化に際し、ジャケにも皮肉なユーモアが。(山田)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年03月27日 17:00

更新: 2003年04月17日 17:01

ソース: 『bounce』 241号(2003/3/25)

文/石田 英稔、穀田 大、小林 英樹、村尾 泰郎、山田 真