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インタビュー

WHITE TRASH SOUL Discographic アメリカ(グランジ編)

 80年代後半から90年代にかけてのUSオルタナティヴ・バンドを聴いてみると、やはり60年代のガレージ・バンドから、アシッド・カルチャーが加わった70年代、そして言わずもがなパンクへと流れるスタイルを踏まえつつも、なぜか居心地の悪いようなゴッタ煮感が溢れていると思う。パンク~ガレージ・サウンドを愛しながらも、ただ回帰するだけでなく、どんどん本能のおもむくままにみずからの音を出し続けた彼ら。それはやはり、インディペンデント~DIY精神が顕著に謳われていたハードコア・シーンが根付いていたからなのでは? 世界的ヒット作がイギリス発の時代だったからこそ、のちの怪物たちは身体をムクムクと成長させていたのだ。(小林)

PUSSY GALORE
『Right Now!』 Matador(1987)
80年代後半にはソニック・ユース、スワンズと共に〈ジャンク御三家〉なんて呼ばれていたっけ。しかし彼らは陰鬱なスタイルよりも、アシッド感満載の徹底的なカオスを選んだ。まさに〈ジャンク〉なガラクタ・ガレージ・サウンドは、現在のジョン・スペンサーよりも遥かに尊い。(小林)


MUDHONEY
『The Best Of The BBC Recordings』 BBC(2000)
サウンドガーデン、ニルヴァーナと並ぶ〈グランジ〉の担い手。しかしいま聴いてみると、あきらかに他のバンドとは立ち位置が違っていたことがわかる。ストゥージズとブラック・サバスとブラック・フラッグが出会ったようなサウンドを聴けば、彼らがいまも現役であり続ける理由がわかるハズ。(小林)

ROCKET FROM THE CRYPT
『Live From Camp X-Ray』 Vagrant(2002)
サンディエゴが生んだ宝。前身であるピッチフォークの歪んだハードコア・スタイルと、ホーンも導入した煌びやかなガレージ~キャバレー・サウンドが見事に融合。最新作である今作にも60年代から現在に至る空気がスピード感バッチリに含まれていて、これぞ〈パンク!〉といった趣き。(小林)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年03月27日 17:00

更新: 2003年04月17日 17:01

ソース: 『bounce』 241号(2003/3/25)

文/石田 英稔、穀田 大、小林 英樹、村尾 泰郎、山田 真