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インタビュー

ホワイト・ストライプスに流れる、濃いブルースマンの血

 マディー・ウォーターズ、サニー・ボーイ・ウィリアムソンほか、シカゴのブルースマンがローリング・ストーンズやヤードバーズのタフな親父とするならば、拙いリズム&ブルースを初期衝動のみで演奏してたガレージ勢はいわば孫にあたり、現在その血筋を受け継ぐ連中は、純血ではないが遠縁の曾孫ともいえるだろう。情報量の豊富な現代の若き音楽家たちにとって、祖先にあたるブルースマンたちはネタでもあり、尊敬の対象でもある。ホワイト・ストライプスはロバート・ジョンソンやサン・ハウスのカヴァーをしており、また、ジョン・スペンサーもブルース崇拝をそのバンド名で表明。ガレージ視点による黒人音楽再発見を気付かせてくれる。朝起きたらブルースが取り憑いてたんだ! そんなガレージ感覚満点のブルースマンを駆け足で紹介しよう。

 まずは、何といってもハウンド・ドッグ・テイラー。独特のヤサぐれた感覚と超速いブギ、なんと彼は指が6本あった! 再発ジャケで6本目の指がポール・マッカートニーのタバコのように消されてなければそれを確認できるはず。そしてエルモア・ジェイムス。四つ角で悪魔に魂を売り渡す代わりに、スライド・ギターの狂気フィーリングを得た伝説の男。ワン&オンリーな密林感覚の持ち主、ボ・ディドリー。彼のビートは若い娘のメコン川をビショビショに溢れさせる。スリム・ハーポは冷房の効いてない部屋でした情事のあとのようなブルース……。字数が尽きてきた。ハウリン・ウルフ! ジェリー・マッケイン! スクリーミン・J・ホーキンス! アンドレ・ウィリアムス!
 超黒く塗れ!

▼文中に登場するブルースマンの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年03月27日 17:00

更新: 2003年04月17日 17:01

ソース: 『bounce』 241号(2003/3/25)

文/キング・ジョー