インタビュー

Timbaland & Magoo(4)

ティンバランドのビート・クラブ会員のみなさま

GINUWINE
Ginuwine...The Vachelor 
Epic(1996)

全編がティンバランドのプロデュース。ジニュワインがいまもなお、いい意味で〈普通視〉されないのはこのアルバムがあるおかげ。サウンドは確かに型破りだが、ビートの心臓部がつねにドクドクと脈打っているのがキモ。タメをコントロールする技の数々もほとんど天才的である。      *JAM

AALIYAH
One In A Million 
Blackground/Atlantic(1996)

現行R&Bのフォーマットのほとんどがここで完成したといっても過言ではない。骨組みだけのミニマルな表題曲に始まり、太いベースが地を這う“If Your Girl Only Knew”、倍速のハイハットが歌を追撃するバラード“Heartbroken”など、いま聴いてもまったく古さを感じさせないのに驚く。    *出嶌

MISSY ELLIOTT
Supa Dupa Fly 
Elektra(1997)

ティンバにとって、みずからの音像を楽曲化するのにミッシーのパフォーマンスはまさに願ったり叶ったりのものだった。そんな両者のパートナーシップがクッキリと描かれた彼女の処女盤には、第1次黄金期を迎えんとするティンバの勢いがなんの遠慮もなく詰め込まれている。        *JAM

TIMBALAND & MAGOO
Welcome To Our World 
Blackground/Atlantic(1997)

マグーのお披露目という側面もあるが、ティンバ実質上のアーティスト・デビューはここ。密室的でドロドロとした雰囲気に跳ねて、沈んで、ざわめく漆黒のビート、その上でのべつニヤけてヒラヒラと泳ぐ2人の様はほとんど超常パフォームの域。90年代屈指の創造的ファンク集。       *JAM

PLAYA
Cheers 2 U 
Def Soul/Def Jam(1998)

ティンバの歌ものサイドを支えるスタティック率いる3人組。正統派のヴォーカルを変調リズムで包んだ“Don't Stop The Music”、サンプリングを有機的に用いたソウル路線の“Everybody Wanna Luv Somebody”など、ティンバの施した音像はやはりここでもスタンダードの域。      *出嶌

DR. DOLITTLE
Soundtrack 
Blackground/Atlantic(1998)

アリーヤの“Are You That Somebody”というロウダウン・スーパー・ビートの傑作を始め、自身の“Da Funk”、ジニュワイン“Same Ol' G”、プレイヤ“Your Dress”がティンバランドのプロデュース。オール・セインツの“Lady Mamalade”のリミックスも含め、どれも濃密、高純度。     *JAM

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月16日 14:00

更新: 2003年03月06日 20:03

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/出嶌 孝次