コーネリアス(5)
『POINT』のポイント
村松 いちばんお訊きしたかったことなんですが……ええと、プライマル・スクリームの新曲に“Bomb The Pentagon”って曲があって……。
小山田「うんうん」
村松 テロの前までは演奏してたらしいですけど、当然いまはやらない……。何かコメントがあれば。
小山田「うーん……予見してたんですよね、きっとね(沈黙)。難しいですね。……演奏しなくなったのは、もちろん、シャレになんないからで。でも、もちろんシャレのつもりでその曲をやってたわけでもないしね(また、長い沈黙)。やっぱりあのテロに関してはきっとみんな、すごく考えてるだろうし、僕もすごく考えます。でも……すごく難しい。すいません」
荏開津 ええと、“Fly”から“Nowhere”への流れは聴きようによってはちょっと悲しいような気もするんですが。
小山田「かもしれないですね。“Nowhere”は一聴、気持ちいい曲ですけど……曲によってはフォーカスするポイントで、またべつのものに聴こえる。たとえば今日みたいな日は天気も良くて過ごしやすくて気持ちよかったり、いろんな人に会えて楽しかったりもするんですけど、でも、ポイントを変えると、戦争が起きそうだとか……みんな、お腹が重くなるようなことってきっとあったりする。戦争じゃなくたって、普段暮らしてても嫌なことがあったり、いろんなことがあると思う。……気持ちよく聴こえる曲もフォーカスするポイントによっては重く聴こえる。そういうポイントが全部入ってる感じに作れたらいいなっていうのはありました」
フミ 音楽を作っていて、もっともカタルシスを感じるのってどういうときですか?
小山田「音が自分の想像できる範疇を超えたときっていうか、そういうときですね」
村松 自分がもっていた視点、目線、ポイント以上のもの、つまり新たなポイントが生まれたときっていうことですよね。
フミ お子さんは、『POINT』にどういうご感想を?
小山田「(笑)。お子さんはね、まだちゃんと感想を聞いてないんで……ちゃんと訊いてみます(笑)」
松永 (またまた携帯電話で登場)あの、タワレコの店員としてお訊きしますが、『POINT』にも(ポイント・カードの)ポイントは付きますか? ナハハハハ(笑)。
小山田「ハハハハハ(笑)。何ポイント付くんですか?」
- 前の記事: コーネリアス(4)
- 次の記事: (CROSS RE)VIEW OF『POINT』#1
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2002年05月09日 15:00
更新: 2003年03月07日 17:59
ソース: 『bounce』 226号(2001/10/25)
文/荏開津 広(ライター)、フミ・ヤマウチ(ライター)、松永耕一(タワーレコード渋谷店スタッフ)、村尾泰郎(bounce編集部)、村松タカヒロ(bounce編集部)、山田蓉子(bounce編集部)