インタビュー

コーネリアス(3)

豊かな楽しみ方

フミ 愛用してるオムツはどこのものですか? 僕のところではやっぱり〈履かせるおむつムーニーマン〉を……。

小山田「あ、ウチもそうです(笑)。立てるようになってからは、履かせるやつがいいらしい」

荏開津 子供をもつことっていうのはやっぱり、すごく素晴らしいことなんですか?

小山田「(笑)。どうなんだろう。でも、楽しいです、すごく。自分がいままで触れなかった社会みたいなところに触れる機会って、やっぱりすごい増えるんですよね。たとえば休みの日に公園に行ったりとかって、独身ではあんまりしない。でも、子供がひとりいることで、なんかこう、そこにいる権利ができるっていうか。そこでボーッと子供見てたり、いい天気だなって思ったりできるようになって。で、そういう楽しみ方は豊かだなって思えたりするのは、自分でもちょっと嬉しい。ちょっと贅沢っていうか」

村松 公園の話で思い出したんですけど、『Fantasma』ってテーマパークぽいなって感じてたっていうか、〈ファンタジア〉に似てるし、ディズニーとの関連とか……。でも、『POINT』は必ずしも音のテーマパークではないと思うんです。

小山田「そうですね」

村松 ディズニーシーは行きましたか?

小山田「いや、行ってないです」

荏開津 そしたら、あれですか。今度はディズニーランドに行くってよりも、普段の生活のなかで感じられることのほうが、より豊かだっていうことかしら。ことさら、にぎにぎしいところに行かなくても、普段の生活でインスパイアされることが……。

小山田「ああ、そういう感じは近いかもしれない。そんなにこう、いつも豊かな気持ちでいられるわけでは決してないんですけど。自分のポイントの持っていきかた次第ってことだと思う」

フミ 昔、少年ジャンプで連載してた「コブラ」っていうマンガがあるんですけど、そこに視覚と聴覚を反転させる敵が出てくる。音が物体に変わったり、逆に物体が音に変わったりして、絵的にすごくサイケデリックな感じなんですね。

小山田「へえええ!」

フミ 今回『POINT』を聴いて、そうしたことを強烈に感じているんですけど、実際にその、ポップ・ミュージックにおける聴覚と視覚の可能性っていうか……考えておられますか?

小山田「難しいな(笑)。でもね、感覚として音が形に見えたりとか、そういうことってありますよね。想像力によって、見える」

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月09日 15:00

更新: 2003年03月07日 17:59

ソース: 『bounce』 226号(2001/10/25)

文/荏開津 広(ライター)、フミ・ヤマウチ(ライター)、松永耕一(タワーレコード渋谷店スタッフ)、村尾泰郎(bounce編集部)、村松タカヒロ(bounce編集部)、山田蓉子(bounce編集部)