(CROSS RE)VIEW OF『POINT』#5
世界をテーマパーク化する〈ファンタズマ〉という眼鏡を外すと、聞こえてくるのは虫たちの声。新作はこれまでになくストイックで、ハーモニーも流線型の美しさ。自然回帰というよりも、生活回帰なのかも知れない。パソコンのノイズにジョン・ケージの呟きを、水面に広がる波紋に静寂のグッド・ヴァイブレーションを聴く。このアルバムを満たすのは平日の公園に流れる豊かな時間。“Smoke”のサビで〈スモ~ク〉って歌っているのが、〈澄もう~〉って聞こえたりもする。シンプルなフリした日常に耳を澄ませる、愛と冒険の45分29秒。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2002年05月09日 15:00
更新: 2003年03月07日 17:59
ソース: 『bounce』 226号(2001/10/25)
文/村尾 泰郎